底が抜けた庭
1. 展示風景
4. 借地
2004年
FRP、塗料、金属
200×200×90㎜
7. その庭の図面
2004年
紙にインク
2. 底が抜けた庭
2004年
木、塗料
1000×1000×1150㎜
5. 底が抜けた庭
2004
カッティングシート
400×2000㎜
−ここにマキの木、いやマサキがあったんだ。でーっかい高い。で、ここは、マキはね、これずーっとここずーっと。マサキは虫がつくんだよね。これもマキだ。マキの木。ここもマキ。これ確か残ってるはずなんだ。で、ここはねえ、ボケ。ボケの低いやつ。ああ、ラン、クンシランな。痛くて痛くて尖ってて。ここに高い木があったんです。こっちはマサキだよな。イチジクもあったよな。ここにイチジクの木があったんだ。ここに高い木があったんです。ここは桃だよな。三本ぐらいモモがあったの。ミカンがあった。ここにね、赤い実になるのなんだっけ、ナンテンじゃなくて、そう、クコの実あったよこの辺に。クコの実。ここにミカン。ユズ。イッサイユズ。ここにカキの木があったんだよ。ここにマツがいくつか。これマツなんだよ。ここにマツが埋まってたの。ここにモモの木があったじゃない。ここモモで、モモの木だよ。シラサギ、カラマツによく来てた、シラサギ。ここに大きいマツあったんだよ。ここに、切っちゃったけど実がなる木、青い実なるやつ。切っちゃったの。これくらいの実なんだよね。グミあったよ。あ、ビワ。いやこっちだ。こっちに二本ぐらいあったの。こっちにタケ、タケやぶ。ここら辺がずーっとタケやぶ。こっちは畑で、ここも畑で。あとここにキョウチクトウ、木が大きくなって赤い花が咲くやつ。ここら辺にあったんだよな。ここにもマツがあって、ここら辺はずーっと、マサキだよな。ここら辺にタケがあったんだよな。シバはでもここら辺シバだったよ、この際は。ここはシバがずーっとあって、マサキがあったの、いやマキがあったの。あれは虫がつくやつなんだったかな、ああ、ヤナギがここにあったね。ー
その人は話をしながら、生えていた木々を再び庭に配置していく。今はない庭は、話せば話す程昔生えていた木々が思い起こされて、庭の細部が明確になり広がりを増していくが、現在の地面の上で居場所を失い、同時にその重みに耐えることができずに落下を始める。
3. その木からのびる枝
2004年
木
100×120×770㎜
6. 横向きの木
2004年
アルミニウム
325×650×800㎜