商品には正面があり、それらが顔のようにこちらを向いている。店頭に置かれた商品は正面が美しく見えるように並べられ、またそれらを紹介する冊子の中の商品は、すべて正面から美しく見えるように、写真に撮られ掲載されている。ふと、その見えない側を想像してみた。裏面、側面、上面、、、商品によっては、正面を取り去ると、原形をとどめないものもある。それらの形を、新たな形にしていく。描かれた商品の絵には、商品名から取られた具体的な作品タイトルが付けられている。正面を失った商品の絵と、タイトルを見て照らし合わせることから、見る人のイメージの中に、新しくその実像を浮かび上がらせるために。